「TOKYO BOOT UP!2010×Saidera Mastering モーニングセッション」 第2回 (2010年7月22日)リポート

2010.07.24  |  Published in articles, report  |  1 Trackback

TBU! 2010×Saidera Mastering モーニングセッション第2回にご参加の皆さん、この時間(9時)でももう33度超え、フレッシュな朝活で、猛烈な熱さをのりきりましょう!

内容を振り返りながらすこし補足します。スタジオでは、実際に音で感覚的に捉えられるセッション内容ですが、文字に起こすと少しテクニカルな感じです。判らない部分は読み飛ばして、次回なんなりとQ&Aで尋ねてください。

今回は、ついに数人の皆さんの音源をお持ちよりいただき:
1)まず、その音源が作られた環境をお話いただき、皆で試聴。
2)良い部分をみつける。リクエストがあれば話す。
3)実際にその場で、森崎さんが、音源を(簡単にですが)さっとマスタリングしてみる。
皆で試聴。
4)スタバで情報交換会。ここではオノ セイゲンさんも参加。
という内容でした。

<魅力を探す~ポジティブな愛のあるクリティカルリスニングから>
問題点をみつけてフォローもするのですが、モテたければ「魅力的な部分を押し出す」ほうがいい!いい部分押しで戦う!?自分の得意な土俵で勝負しよう。その音源の魅力って?リスナーに聴かせたい部分、それがその音源の(隠れた)魅力になっているとは限らない。クリエーター、プロデューサー意識の高いみなさん、客観的に音を聴いてみましょう。さすが、森崎さんは上手です。瞬時にしてその音源の魅力を見つけて、まず、そこから光をあてる。ほんとすごいと思いました。ミックス済みですから小さなことを後悔しても前に進めません。(もちろん、ミックスやり直してくるという選択肢はありですが)しかし、自分でもミキシング中に気がつかなかった、いい部分に光をあてること、いい部分を響かせる、そんな可能性があるんですね。そこから愛してもらえば成功ではないでしょうか。
HINT:http://saideramastering.blogspot.com/2010/06/eq.html

<ミックスレベルにすこしの余裕を持たせよう>
ミックス済み音源のピークレベルが目一杯振れていると「引き算による音作り」しかできません。もちろん、この引き算=不要な部分をうまく切って行く作業こそはプロ中のプロの成せる技なのです。しかしそこで、欲しい部分を引き出すような作業が出来ればマスタリングでの完成度はより高いレベルに到達できるのです。マスターを20Bit/24Bitなどで作れば、ミックス時にフルビットで詰め込む必要はありません。
HINT: http://saideramastering.blogspot.com/2010/06/eq_10.html

<不要なピークとどう戦うか>
ここで言うピークとは、時間的に短い、パルスに近い強い音です。20マイクロ秒とうような瞬時のピーク信号でもデジタルメーターは一瞬振り切れて、ノイズとなります。
しかしそれは楽音として認識されることはない。それに対して、認識できる楽音とか豊かな楽器の音色というのはどういう音でしょう?スネアドラムのスティックと皮が衝突する部分に近接したマイクロホンからは、その衝突音がおおいに収録されます。マイクを打点からだんだん離して行くと、打点が周囲に与えた影響、振動、打点からのダイレクト音と周囲の反射音が混ざって収録される。「衝突は一瞬ですが、響きは時間を伴って、聴取者に音色(ねいろ)として知覚させます」パルシブな音は、そのままレベルを上げても大きな音には聴こえません。短すぎるのです。そしてこのピークを抑え込もうとコンプを使うときに陥りやすい罠もあります、コンプでかならずしもピークが除去できる訳ではない。
このあたりの話は重要で、次回のセミナーのゲスト講師:瀧口さんも解説してくれると思いますが。「ダイレクト音+初期反射+響き」オンマイク(主にダイレクト音)とオフマイク(アンビエンス=主に初期反射+響き)の関係です。

<コンプレッサーのアタックタイムのこと等、ちょっとだけよ・・>
今回解説出来ませんでしたが、リミッター・コンプレッサーには「アタックタイム」があります。リミッターやコンプはレベルを非線形にぐぃっと押さえる性質のアンプです。ある音量に対してコンプが動作を始めるまでの時間が「アタックタイム」。つまりアタックタイムが1ミリ秒だと、1ミリ秒後にレベルが押さえ込まれはじめます。
音頭に1ミリ秒の「ピチっ」的なノイズのような音がする。100ミリ秒ならば「バぅっ」って感じに押さえ込まれる。100ヘルツの低音は、波形の1周期は10ミリ秒です。アタックタイムとリリースタイムの合計が10ミリ秒より短かければ「音圧ではなく、その瞬間の波形そのもの」に反応してベースなどに細いプチプチしたノイズを出す事があります。機会があったら、ちょっとだけ実験してみてください。
HINT: http://saideramastering.blogspot.com/2010/07/blog-post_23.html

<KENTAさんのドライな録音>
KENTAさんのテスト録音は畳の部屋をデッドニング(響かない状態)して録音していましたね。本当にデッドな状態ではマイクと音源をどんなに離しても主に直接音しか聴こえません。そこではマイクアレンジメント(位置や向き)による音のバリエーションなどの面白みも半減します。このようなデッドな部屋ではマイクと楽器の距離を調整しても「直接音と少ない間接音(初期反射+響き)のバランス」と「近接効果(波長のせいでマイクに近い方が低域が膨らむ現象)の具合」程度しか変化しません。
KENTAさんは次回もう少し楽器が(物理的な音も、心にも)響く場所で、自分が弾きやすい空間で録音をしてみましょう。そう!まず楽器を弾きやすい空間、そこで最高の気分で弾いてみよう!
もしなにか、響きがおかしい、そんなときにはデッドニングにトライしてみてください。原音にすこしの響きが加わるだけでピークが減り、相対的に量感が増し、リバーブのノリもグンとアップします(リバーブにひっかかりやすくなります)。
HINT: http://saideramastering.blogspot.com/2010/05/7_5705.html

<今度はEQ>
梶原さんの音源の例。幾つかの周波数をカットすると音に輪郭が出る事も経験しましたね。「ある音に耳がマスキングされて、聴かせたい音にリスナーの意識が到達出来なかった」かもしれません。注目ならぬ「注耳」(すなわちクリティカルリスニング)して、結果として周囲の音を「静かにさせる」とも言える。下げた分レベルに余裕ができたので、結果としてトータルレベルを上げることができました。コンプレッションをしないでも、ぐいっと音を持ち上げる事に成功しました。森崎さんはプロですから細かく周波数ごとにその機能を整理します。この部分、まずは自分でもパラメトリックEQなどで体験してみましょう。「スネアドラム」なら、何ヘルツくらいを(どのようなカーブで?)上げると胴が深いスネアに感じるでしょう?キックは何ヘルツあたりを上げると重くなるか、スピード感が落ちて聴こえるのか、などなど。たのしい~~!!!
HINT: http://saideramastering.blogspot.com/2010/07/kickeq.html

<さて次回は>
トラッキングの部分について。ゲスト講師は、瀧口和徳氏。「80年代のマルチトラック録音」をテーマに、なぜマルチ(複数のマイクやトラック)で録るようになったのか、アイソレーションブースに分ける意味は?マイクの指向性、カーディオイド/オムニ。マイクを置く場所。これからエントリーする方にも即戦力となるセミナーです!
マスタリングについて探求する。そのために自分がすべきことを学ぶことはとても繋がっていて同じように大切であり、相互に助け合う必要があることがわかりました。マスタリングとは、ミックスやトラッキング(録音)のときからもう始まっているのかもしれません。少なくとも立ち会いマスタリングでは、そのマスタリングエンジニアとのセッション、コラボレーションの場で、音楽の可能性を大きく左右する要素がたくさんあることが確認できましたね!

高度なHINT:http://saideramastering.blogspot.com/2010/06/by.html

熱中症にならぬよう、午後の外出は控えめに。夕方はるーびみーの。そのためにはしっかり朝活しよう!

Saidera Mastering (a division Saidera Paradiso Ltd.)
サイデラ・マスタリングは、音楽をつくるすべての方を応援します。
あなたが自信をもって仕上げた音楽は、必ずリスナーの心に響きます。
適切なマスタリングをほどこすことによって、コンテンツに左右されない仕上がりに。
URL: http://www.saidera.co.jp
Saidera Mastering Blog: http://saideramastering.blogspot.com/
Saidera Mastering Twitter: saidera001 http://twitter.com/saidera001

Responses

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    7月 26th, 2010at 11:06 AM(#)

    [...] This post was mentioned on Twitter by tofubeats, Saidera Mastering. Saidera Mastering said: TBU! 2010×Saidera Mastering モーニングセッション第2回の内容を分かりやすくまとめていただきました!第3回から来る方も [...]


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